“いっけん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イッケン
語句割合
一間53.4%
一見19.0%
一軒15.5%
一件5.2%
一犬1.7%
一硯1.7%
一肩1.7%
1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
裏庭にめんして一間いっけんの窓があり、スリガラスの障子しょうじがしまっています。そとに木のこうしがついているので、雨戸はあけたままなのです。
透明怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その技芸もとより今日こんにちの如く発達しおらぬ時の事とて、しぐさといい、せりふといい、ほとんど滑稽に近く、全然一見いっけんあたいなきものなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
一軒いっけんの旅館があります。そしてその真向いに、大きな馬車小屋があります。小屋の屋根はちょうどいたばかりでした。
彼処あすこさ東京の人だからね。このあいだ一件いっけんもので大騒ぎをしたでがす。行って見てしんぜますべい。うに、はい、何処どっかずらかったも知んねえけれど、台所の衆とは心安こころやすうするでがすから
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一犬いっけんきょえて万犬ばんけんじつを伝うといってナ、小梅こうめあたりの半鐘が本所ほんじょから川を越えてこの駒形へと、順にうつって来たものとみえやす」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
衣服、玩好がんこう、遊戯、一も彼のくものなし。机上一硯いっけん、一筆、蕭然しょうぜんたる書生のみ。最も読書を好み手に巻をてず、その抄録しょうろくしたるもの四十余巻ありという。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
田山白雲は、一肩いっけん画嚢がのうをひっさげて、ゆらりと船から桟橋へ飛び移りました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
どこへ消えましたやら、見えなくなったと申しますが、いずれな……いっけんがな。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)