“あるじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アルジ
語句割合
主人53.5%
38.3%
主婦3.1%
女主1.4%
主翁0.5%
亭主0.5%
家主0.5%
荘主0.3%
主個0.2%
主僧0.2%
主君0.2%
主長0.2%
女主人0.2%
恭助0.2%
東道0.2%
樓主0.2%
男主0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人あるじと妻と逗留とうりゅうに来て居る都の娘と、ランプを隅へしやって、螢と螢を眺むる子供を眺める。田圃たんぼの方から涼しい風が吹いて来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
なんのために、生涯、日蔭におくり、自らの魔夢にうなされ、こんな万年床のあるじになって終るのかと——刑部はまたも、ぐちになる。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんなことで幾日かを夢のように送っているうちに、主婦あるじのおきつが何処からか聞いて来て、江戸城の天狗の一件を話した。
勝手元かってもとには七輪しちりんあおぐ音折々に騒がしく、女主あるじが手づからなべ茶碗むし位はなるも道理ことわり、表にかかげし看板を見れば仔細しさいらしく御料理とぞしたためける。云云。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
私どももこれから下女を連れて参る筈、留守は主翁あるじが致しまする。あなた様も、是非にお出でなされませぬかと。澄が帰りしその跡へ、太田の妻の入来るに。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「なに、すぐあがります。だけど今時分の夕立なんて、よっぽど気まぐれだ。」と亭主あるじが言った。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
家主あるじの責任というとこだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
荘主あるじかうべたたみりて、御僧この事をなし給はば、此の国の人は浄土にうまれ出でたるがごとしと、涙を流してよろこびけり。山里のやどり八四貝鐘かひがねも聞えず。
つれて參りますと主個あるじに言てにはかの支度辨當べんたうつゝ吹筒すゐづつげ和吉を呼で今日は吾儕わしが花見に行なれば辨當を脊負しよひともをしてと言ば和吉はかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
掛れば瓦羅利からりと開くにいよ/\不審ふしんと進み這入はひれは如何に主個あるじ庄兵衞は何者にか殺害せつがいされたる物と見え血汐ちしほそまりてとこの上にたふれゐるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
主僧凶夢を苦に病む 私の泊った主僧あるじは何かこの間から続けてわるい夢を見たというので大いに恐れて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
一行の者はあすこがすなわち当大寺の主僧あるじであるサッキャア・コマ・リンボチェという方の居られる所であるから逢いに行かねばならんという。それで私もそこへ出掛けて行きました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そのうち、一国一城の主君あるじである大頭株に介在して、身分は単に一旗本に過ぎないのだが、ふだんから一もくも二目も置かれて破格の扱いを受けているのがこの大岡越前である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
カピ長 はて、堪忍かんにんせにゃなりませぬ。これさ、どうしたもの! せにゃならぬといふに。これさ/\、こゝの主長あるじ乃公おれではいか? おぬしか? さゝゝ。
小間使いが女主人あるじの一げいに会いて半ば消え入りつつそこそこに去りしまで、わずか二分ばかりの間——ながら、この瞬間に二人ふたりが間の熱ややくだりて、しばらくは母子おやこともに黙然もくねんと相対しつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
恭助あるじいたつかれて禮服れいふくぬぎもへずよこるを、あれ貴郎あなた召物めしものだけはおあそばせ、れではいけませぬと羽織はをりをぬがせて、おびをもおくさまづからきて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
独りネビッチョけ物と成ッて朝夕勉強三昧ざんまいに歳月を消磨する内、遂に多年蛍雪けいせつの功が現われて一片の卒業証書をいだき、再び叔父の家を東道あるじとするように成ッたからまず一安心と
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
盡くして呉ける故わづか曲輪くるわの風も何時か見習みなら樓主あるじの悦び大方成らず依て丁字屋の板頭おしよく名前なまへ丁山ちやうざんとこそ名付たれそも突出つきだしの初めより通ひくるわ遊客いうかくは云ふも更なり仲の町の茶屋々々迄もほめものとせし位なれば日成らずして其の頃屈指ゆびをりの全盛と成りし事まつた孝行かうかうとくにして神佛も其赤心そのまごころ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼女が手伝って掃除そうじすると、まめやかな男主あるじは、手製のおしるこを彼女にと進めたりした。彼女はその日のことを記した末
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
『詩経』に「膏沐こうもく無からん、誰をあるじとして容をつくらん」とか申す二句、かつて何心なく読みおり候所、後に曹大家そうたいこ『女誡』専心の篇を見候えば、上下の文ありて
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
八二老衲らうなふもしこの鬼を八三教化けうげして本源もとの心にかへらしめなば、こよひのあるじむくひともなりなんかしと、たふときこころざしをおこし給ふ。