“あらかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大概26.7%
大略26.7%
荒方20.0%
概略13.3%
大半6.7%
大抵6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飯「あれから孝助に話しましたところ、当人も大層に悦び、わたくしの様な不束者ふつゝかものをそれ程までに思召おぼしめし下さるとは冥加至極みょうがしごくと申してナ、大概あらかた当人も得心いたした様子でな」
貧乏は知らないと云ってもいから、愚痴になるわけはないが、自分の親を、その年紀としで、友達の前で、呼ぶに母様をもってするのでも大略あらかた解る。酒に酔わずにアルコオルに中毒あたるような人物で。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その手に属したお茶ッぴい連も一人去り二人さりして残少のこりずくなになるにつけ、お勢も何となく我宿恋しく成ッたなれど、まさかそうとも言いねたか、漢学は荒方あらかた出来たとこしらえて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
秋になれば下条しもじょうさんの病院で若手が一人る。最早もう概略あらかた約束が出来ていますから、うなれば患者も今よりはずっと殖えます。もう僅か半年、六箇月です。ね、待って下さい。春子さん
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
今の築地二丁目の出方でかたの二階へ引っ越して来た時には、女からもらった手切てぎれの三千円はとうに米屋町こめやまち大半あらかたなくしてしまい、のこりの金は一年近くの居食いぐいにもう数えるほどしかなかった。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「毎日毎日、同じ掃溜を覗いておりますると大抵あらかたその家の身代の成行きが判然わかって参りまする」