“あっさり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
淡泊42.9%
淡々14.3%
淡洒14.3%
淡白14.3%
淡粧7.1%
瀟洒7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、こんな稼業の者にはめずらしい正直な淡泊あっさりした江戸っ子風の男で、御用をかさに着て弱い者をいじめるなどという悪い噂は、かつて聞えたことがなかった。
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この時日は既に万家ばんかむねに没しても、余残なごりの影をとどめて、西の半天を薄紅梅にそめた。顧みて東方とうぼうの半天を眺むれば、淡々あっさりとあがった水色、諦視ながめつめたら宵星よいぼしの一つ二つはほじり出せそうな空合そらあい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
まげ女優巻じょゆうまきでなく、わざとつい通りの束髪そくはつで、薄化粧うすげしょう淡洒あっさりした意気造いきづくり形容しなに合せて、煙草入たばこいれも、好みで持つた気組きぐみ婀娜あだ
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
兄哥あにい、有難え、こっちからお礼を言うよ。——実は俺にも少し考えがあったんだが、縄張がうるさいから、黙っていたんだ。——兄哥でもなきァ、こんな事を淡白あっさり相談に来ちゃくれまい」
「どうも淡粧あっさりして、活動する奴が一番人間の分子が多くって危険だ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世間は気次第で忌々いまいましくも面白くもなるものゆえ、できるだけは卑劣けちさびを根性に着けず瀟洒あっさりと世を奇麗に渡りさえすればそれで好いわ、と云いさしてぐいと仰飲あお
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)