“あしさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
足端33.3%
足先33.3%
足尖11.1%
趾先11.1%
趾尖11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暗い中から驟雨ゆうだちのような初夏の雨が吹きあげるように降っていた。道夫は傾斜こうばいの急なこみち日和下駄ひよりげた穿いた足端あしさきでさぐりさぐりおりて往った。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
佛桑花色ぶつさうげいろ薔薇ばらの花、優しくも色のめたところが返咲かへりざきをんなの不思議な愛のやうな佛桑花色ぶつさうげいろ薔薇ばらの花、おまへのとげにはがあつて、おまへの爪は隱れてゐる、その天鵞絨びろうど足先あしさきよ、僞善ぎぜんの花よ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
二人の身体は逆様さかさまに馬の上から墜落すると、抱き合ったまま砂地の上を転った。蹴り合い、踏み合う彼らの足尖あしさきから、砂が跳ね上った。草葉が飛んだ。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
まるで、明るみの中を歩くように、雑多にころがっている、仏具や、金仏の間を、巧みに趾先あしさきさぐりに通り抜けて、近づいたのが、須弥壇しゅみだんの前——抹香臭まっこうくささ、かび臭さが鼻をつ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
いじらしいわが心。わたくしは父よりもわたくし自身穢されたような気がして、スーツケースの横腹を白足袋の趾尖あしさきで蹴りつけます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)