“あいしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愛妾44.4%
愛誦37.0%
合性3.7%
哀傷3.7%
愛松3.7%
愛称3.7%
愛賞1.9%
相性1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
素晴らしい美人ならあるいはどうか知れないけれども、それが何々の重役、何々博士の愛妾あいしょうででもあったりしてはやり切れない。
東京下谷したやいけはたの下宿で、岸本が友達と一緒にこの詩を愛誦あいしょうしたのは二十年の昔だ。市川、菅、福富、足立、友達は皆若かった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「おっ母、おら、お稲さんとなら、きっと合性あいしょうがいいと思うぜ」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雀のお宿の素峰子そほうしは、自ら行乞子こうきつしと称している。かつては書店の主人であったが、愛妻の病没により、哀傷あいしょうの極は発願ほつがんして、ふるって無一物の真の清貧に富もうと努めた。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
折節帰省中であった下村為山いざん君を中心として俳句の研究をしつつあった中村愛松あいしょう、野間叟柳そうりゅう伴狸伴ばんりはん、大島梅屋ばいおくらの小学教員団体が早速居士の病床につめかけて俳句の話を聞くことになった。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
だがかの女らの友だちは、ケートと愛称あいしょうした。ケートは二十年ちかくもニューヨークの富豪ふごう、ベンフヒールド氏の家に奉公ほうこうして女執事おんなしつじをつとめた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
尺璧せきへきの喜びにて、幾たびか魚籃びくの内を覗き愛賞あいしょうかざるに、尺余の鯉を、吝気おしげもなく与へて、だぼ沙魚はぜぴき程にも思はざるは、西行法師の洒脱にも似たる贅沢無慾の釣師かなと感じき。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
「いや相性あいしょうがいけねえんですよ、とかく、犬てえ奴はがんちゃんの苦手でげしてね」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)