“ああ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アア
語句割合
嗚呼35.3%
25.0%
4.9%
唖々4.9%
3.6%
嗟乎3.1%
鳴呼3.1%
彼様2.7%
於戯1.3%
嗟呼1.3%
1.3%
吁嗟0.9%
唖唖0.9%
嗟矣0.9%
如彼0.9%
那麽0.9%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
于嗟0.4%
呵々0.4%
嗚乎0.4%
嗚咽0.4%
嗟哉0.4%
嗟嘆0.4%
嗟夫0.4%
噫々0.4%
噫吁0.4%
噫呼0.4%
噫嘻0.4%
嵯乎0.4%
於虖0.4%
那様0.4%
阿呀0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
嗚呼ああ今の時、今の社会に於て、大器を呼び天才を求むるの愚は、けだし街頭の砂塵より緑玉エメラルドを拾はむとするよりも甚しき事と存候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そんな者と話の合いようが無かろうじゃないか。ああ、年甲斐がいもない、さいというものは幾人いくたりでも取替えられる位の了見でいたのが大間違。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかるをなお強いて「戯れに」と題せざるべからざるもの、その裏面には実に万斛ばんこく涕涙ているいたたうるを見るなり。ああこの不遇の人、不遇の歌。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
つい下のえのき離れて唖々ああと飛び行くからすの声までも金色こんじきに聞こゆる時、雲二片ふたつ蓬々然ふらふらと赤城のうしろより浮かびでたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
浅虫の濃灰色の海は重くうねり、浪がガラスの破片のように三角の形で固く飛び散り、墨汁を流した程に真黒い雲が海を圧しつぶすように低く垂れこめて、ああ
善蔵を思う (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼のたるダイアモンドはさせる大いなる者ならざれど、その棄去りし人の誠は量無はかりなきものなりしが、嗟乎ああ、今何処いづこに在りや。そのかつて誠を恵みし手はひややかに残れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
鳴呼ああ、私たち二人は何という相違だろう。それは天使と悪魔とが一つのへやの中に向かいあっているようなものだ。
秘密 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
『ほんとはそれ許りぢやありませんの。若しか先生が、私に彼様ああ言つて置き乍ら、御自分はお遣りにならないのですと、私許り詰りませんもの。』
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
嗟乎ああ。では諸君は僕が其筋そのすじの嫌疑のために並々ならぬ困難を感じてゐることも御存知ないのであらうか? 於戯ああ。では諸君は僕が偉大なる風博士の愛弟子であつたことも御存じあるまい。
風博士 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
くわふるに寒風かんきを以てし天地まさに大にれんとす、嗟呼ああ昨日迄は唯一回の細雨さいうありしのみにして、ほとん晴朗せいろうなりし為め終夜熟睡じゆくすゐ、以て一日の辛労しんらうかろんずるを得たるに、天未だ我一行をあはれまざるにや
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
一体は亀屋の亭主に御前の身の上あらましききて、失礼ながら愍然かわいそうな事や、わたしが神か仏ならば、こうもしてあげたいああもしてやりたいと思いましたが、それも出来ねばせめては心計こころばかり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
仰げば無量無数の惑星恒星、らんとして、吁嗟ああ億兆何の悠遠いうえんぞ、月は夜行性のの如く、けていよいよ白く、こゝに芙蓉ふようの蜜腺なる雲の糸をたぐりて、天香を吸収す、脚下紋銀白色をなせる雲を透かして
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
唖唖ああとして一声、——これよ
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
やがて浮世のひまが明いて、かたみに遺る新聞の数行すぎょうに、我軍死傷少なく、負傷者何名、志願兵イワーノフ戦死。いや、名前も出まいて。ただ一名戦死とばかりか。兵一名! 嗟矣ああの犬のようなものだな。
如彼ああかぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
那麽ああいふ男は、今の時世ぢや全く珍しい。』と主筆が鷹揚に嘴をはさんだ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ああ、こんな思を為るくらゐなら、いつそ潔く死んだ方がはるかましだ。死んでさへ了へば万慮むなしくこの苦艱くげんは無いのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ああ、貴方には軽蔑けいべつされてゐる事を知りながら、何為なぜわたくし腹を立てることが出来ないのでせう。実に貴方は!」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『僕は、ああした男が大好だいすきですよ。僕の知つてる美術家連中なかまも少くないが、吉野みたいな気持の好い、有望な男は居ませんよ……。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
学校は勝手にめて来るし、ああして毎日碌々ごろごろしてゐて何をする積りなんですか。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
尼子経久此のよしを伝へ聞きて、兄弟信義のあつきをあはれみ、左門が跡をもひてはせざるとなり。一四三ああ軽薄の人と交りは結ぶべからずとなん。
妒婦とふやしなひがたきも、いての後其のこうを知ると。ああこれ何人のことばぞや。
そうさせるKはママしい。斯様な事は私もよく心得て置くべき事であると思う。石井も又、心にそうまでも思って居ないのに彼ああまで云うのはいやみである。凡人は天才の犠牲となるべきが至当である。
于嗟ああ! 金策の目的をとげることは却々なかなかできない! 実にできない! 頑としてできない! 断々乎として出来ないのである。
呵々ああ貧乏をすると誰でもそう云う、信三郎よ、卿も始めて人間となったか。幸あれ、坊っちゃん。君は間もなく真の人生を見るだろう。でなければ教員にでもなるのだ。さあ来い。
たとえば読者に悲しさを伝えるために、作者が嗚乎ああ溜息ためいきもらしたり、すぐさま悲しいと告白したとする。成程読者はこれを読んで、作者が悲しんでいるなということは納得がゆく。
嗚咽ああ、大空の馳使はせづかひ、添はゞや、なれにわが心
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
嗟哉ああ、士風なほ薄夫はくふをしてとんならしむ
身を軍籍にかざれば祖国のために尽すの路なきが如き、利子付きにて戻る国債応募額の多寡たくわによつて愛国心の程度が計らるゝ世の中に候。嗟嘆ああ、頓首。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
予、ますます左内を起して一議を発せんことを思ふ。嗟夫ああ
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
噫々ああ今にして花火線香の玉を消したことは返す返すも残念でならない。も五年でも、十年でもいい、もっともっと火華を散し、火華を咲かせたかった。
夢の如く出現した彼 (新字新仮名) / 青柳喜兵衛(著)
そして諸君は、かの憎むべき蛸博士の——あ、諸君はかの憎むべき蛸博士を御存知であらうか? 御存じない。噫吁ああ、それは大変残念である。
風博士 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
そして諸君は、かの憎むべき蛸博士の——あ、諸君はかの憎むべき蛸博士を御存知であろうか? 御存じない。噫呼ああ、それは大変残念である。
風博士 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
詩人歌うて曰く「落花紛々ふんぷん、雪紛々、雪を踏み花をって伏兵おこる。白昼に斬取す大臣の頭、噫嘻ああ時事知るべきのみ。落花紛々、雪紛々、あるいは恐る、天下の多事ここにきざすを」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
嶮崖けんがいくだり渓流をもとめてはくせんとす、れてつゐに渓流にいたるを得ず、水声ちかく足下にあれども峻嶮しゆんけん一歩もせせむを得ず、嵯乎ああ日のるるを二十分ばかりはやかりし為め、つゐに飯をかしぐの水を得ず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
其の意深し矣。老子をして一邑一聚を得せしめば、蓋し真に以て此を致すに足らむ。於虖ああ、吾が東籬、又た小国寡民の細なる者か。開禧元年四月乙卯誌す。
小国寡民 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
「東京駅で人を見送ると何時も汽車が反対あべこべの方角へ出て行くような気がするが、矢っ張りこれでも宜いんだね。彼処あすこでは何うして那様ああなるんだろう?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
などというのは特有な日本的閨房語けいぼうごで、極まるとき、一きょうまた一きょう、叫ぶというのがあちらの男女の感受性らしい。「阿呀ああせい身子已是酥麻了みはしびれわたる
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主婦かみさんが起きて開けてくれ、そうそうと思い出したように、久能さん、お手紙、ああちゃんが預ってるわ、と少し皮肉らしくいったので、突嗟に久能は異常なものを感じた。
リラの手紙 (新字新仮名) / 豊田三郎(著)