“鼻頭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなづら39.5%
はなさき30.2%
はながしら16.3%
はなのさき9.3%
はなかしら2.3%
びとう2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ハッとけようとなさる。お顔の処へ、もう大きな鼻頭はなづらがぬッと出て、ぬらぬら小鼻が動いたんだっておっしゃるんだよ。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて、明くる朝、定めの家に六人集って見ると、六人が六人とも、鼻頭はなさきをそぎ取られていて、満足の顔の者は一人もないのであった。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
(お前はうるさいね、)と手にしていた針のさき指環ゆびわに耳を突立つったてながら、ちょいと鼻頭はながしらを突いたそうでございます、はい。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
浅井は鼻頭はなのさきで笑っていたが、病院へ来てから、どうかすると二人きりの浅井とお今とを、家にのこしておくような場合の出来るのが、お増には不安であった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
花瀬は次第にやつるるのみにて、今は肉落ち骨ひいで、鼻頭はなかしら全くかわきて、この世の犬とも思はれず、頼み少なき身となりけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
紀州犬としてもすぐれた名犬にちがいなかろう。琥珀色こはくいろにかがやく眼、黒く濡れ光っている鼻頭びとうのほか、全身の毛は雪を思わせる。そして大きなこと、白熊のようなといってもよい。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)