鹹水かんすゐ)” の例文
いや、この二つの快不快は全然相容れぬものではない。寧ろ鹹水かんすゐと淡水とのように、一つに融け合つてゐるものである。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おほきな波をあげたり、じっとしづまったり、たれも誰も見てゐない所でいろいろに変ったその巨きな鹹水かんすゐの継承者は、今日は波にちらちら火を点じ、ぴたぴた昔の渚をうちながら夜昼南へ流れるのです。
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)