とき)” の例文
そうして二つの小さなとき色の蕾とが、そらした眼の裡にはっきりと残って、彼を狼狽ろうばいさせ、のぼせあがるような気持にさせた。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
封筒の寸法はたて四寸、横二寸三分、とき色地に桜ン坊とハート型の模様がある。桜ン坊はすべてで五、黒い茎に真紅まっかな実が附いているもの。ハート型は十箇で、二箇ずつ重なっている。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「おまえはときという鳥かい。」
白羽二重の寝衣ねまきとき色のしごきを緊め、髪毛は解いて背に垂れている。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)