が、匡衡の方では、明らかに自分が推戻されてたじたじとなったのを感じた。けれども匡衡も鳶肩倔強えんけんくっきょうの男児だ、斯様なると話が学問がかったところで推出されじまいになるのには堪えられなかった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)