鳳仙花ほうせんくわ)” の例文
井戸端ゐどばたにぼつさりとしげりながら日中につちうあつさにぐつたりとしをれて鳳仙花ほうせんくわの、やつとすがつてはな手拭てぬぐひはしれてぼろつとちた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まだやつと十六だといふ、色の白い、髮のやはらかい、ふつくらとした顏の、鳳仙花ほうせんくわのやうな娘であつた。それが呼び込み口に坐つて客を呼んでゐる姿は、あまりに痛々しかつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
鳳仙花ほうせんくわたねをわりてぞもずのこゑ
O君の新秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あアかあアか鳳仙花ほうせんくわ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
れた鳳仙花ほうせんくわえだたけつゑしばりつけようとしてれたらぽろりとくきからはなれてしまつた。卯平うへい忌々敷相いまいましさう打棄うつちやつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しイろしイろ鳳仙花ほうせんくわ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たけぼうはぎつととほしたまゝいつまでもむなしく鳳仙花ほうせんくわそばつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)