“鮫柄”の読み方と例文
読み方割合
さめづか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陣羽織じんばおりのようなかわそでなしに、鮫柄さめづかの小刀を一本さし、年は四十がらみ、両眼するどく、おまけに、仕事場で火傷やけどでもしたけがか、片鼻かたはなが、そげたようにけている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
引き摺り出してみると、ああ、やっぱり駄目だ! 女の体は、つづみのように、細紐で巻き締めてあって、左の乳の下に、鮫柄さめづかの短刀が、根まで突きとおして、抜かずにある。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袖無そでなし羽織を着、小桜の革足袋かわたびに新しい藁草履わらぞうりをはき、鮫柄さめづかの小脇差を一つ横たえて、武士とも町人ともみえず、ただ何処やらゆかしげな風格のある人が、竹箒たけぼうきを持って——ふと
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)