高楊枝たかようじ)” の例文
でも、武士は食わねど高楊枝たかようじというあんばいで、支那と戦っているのは、餌が欲しくてやっているのじゃない、と頑張っているのだ。
議会見物 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「武士は食わねど高楊枝たかようじ」の心が、やがて江戸者の「宵越よいごしぜにを持たぬ」誇りとなり、更にまた「ころ」「不見転みずてん」をいやしむ凛乎りんこたる意気となったのである。
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
けれども、この貧窮組は生え抜きの平民でありました。武士は食わねど高楊枝たかようじ、というようなことを言っておられぬ身分の者ばかりでありました。彼等は食いたくてたまらないのであります。