“馬穴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばけつ57.1%
バケツ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁ぎわや太い柱の陰におけ馬穴ばけつが汚物をいっぱい溜め、そこらに糞便をながし、骨を刺す異臭のなか
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
より江たちのお母さんは村でたった一人の産婆さんばさんでした。より江はつまらなそうに、店先へ出て、店に並べてあるざるなべや、馬穴ばけつなぞを、ひいふうみいよおと数えてみました。
(新字新仮名) / 林芙美子(著)
そんでもうれしそうであった。彼女は急にせわしそうに、台所に立って行くと、馬穴バケツをさげて井戸端いどばたへ水をみに出た。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
縁側には、七輪や、馬穴バケツや、ゆきひらや、あわび植木鉢うえきばちや、座敷ざしきは六じょうで、押入れもなければとこもない。これが私達三人の落ちついた二階借りの部屋の風景である。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)