かをる)” の例文
義雄は、弟のかをるきりの火葬場へ行くつもりで、直ぐ支度をして來いと云ふ使ひを出してから、先づ知春の室に行つた。
故人井上かをる侯が素晴しい癇癪持だつた事は名高い事実だ。故人は自分でもよくそれをわきまへてゐて、自分の都合の悪い時には、滅多に癇癪を起さなかつたからなほ始末に困つた。