饒速日にぎはやひ)” の例文
物部氏は、饒速日にぎはやひ長髄彦ながすねひこの子孫である。すなわち神武よりもさきに、日本本土の中央に、君臨していた一大氏族の子孫である。
神武の敵将、長髄彦ながすねひこは、その名がしめているように、巨人であり、英雄的な人物であったように思われる。その巨人は、妹の婿むこである饒速日にぎはやひのために、不幸にして暗殺された。
神武は、長髄彦の妹と饒速日にぎはやひとのあいだに生まれた子の字麻士真手うましまでを、日本はじめての国政太夫こくせいたいふにした。そうして、たくみに長髄彦の子孫を優偶し、人心をおさめたのであった。