風雪ふぶき)” の例文
下女が欠をみ殺す。そういう風で大分の間過ぎたのだそうだ。そのうちある晩風雪ふぶきになって、雨戸の外では風の音がひゅうひゅうとして、庭に植えてある竹がおりおりほうきで掃くように戸をる。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
帰りは風雪ふぶきになっていました。二人は毛布けっとの中で抱き合わんばかりにして、サクサクと積もる雪を踏みながら、私はほとんど夢ごこちになって寒さも忘れ、木村とはろくろく口もきかずに帰りました。
あの時分 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)