“頤髭”の読み方と例文
読み方割合
あごひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、先に立った頤髭あごひげのある土色の顔に部厚の近眼鏡をかけた小男が奇声でもって挨拶あいさつをした。それは工場主である理学博士赤沢金弥あかざわきんやと名乗る人物だった。
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さう云つて、彼は「山羊」と綽名をつけられてゐるその頤髭あごひげを、馴れた手つきで、さつとしごいた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
ただ白鳥はくてう君には髭が無いけれどマス君にはうしろねた頤髭あごひげがある。見物人には一撃のもとにマス君がやぶられさうあやぶまれたが、しかしマス君は見掛に寄らず最後まで勇敢に戦つて立派に名誉を恢復くわいふくした。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)