青銅ブロンズ)” の例文
泣く筈のない青銅ブロンズの鶴が鳴いた天変不可思議も、安亀が「唄う鶴の噴水」の会を壊しに来た理由も、何もかも、すっかりこれで判る。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あはれ騎士ナイトが戦ひに破れし青銅ブロンズの盾にふりそゝぐしろがねの涙ともならば、と祈らむにも力は尽きぬ——金のつるもて張れるわが喜びの琴は
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
高い青銅ブロンズで出来た燭台が置かれてある、室内は暖炉の温か味で程よくなっている、傍の肱掛け椅子には逞ましい馬丁風の男が二人睡っている。
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
「君が自分で説明したらいぢやないか、君は何時いつだつたか、青銅ブロンズで馬の模型モデルを作りかけて鋳上げる事もしないで、打捨うつちやぱなしにしたぢやないか、いい恥晒はぢさらしだね。」
見ると青銅ブロンズのビーナスの像の下に、白い寝巻を着たみのりがべったりと床にすわっていた。
宝石の序曲 (新字新仮名) / 松本泰(著)
彼女等は青銅ブロンズのやうにつや/\して灰褐色であつた。
格別怪しむようなこともなくそのまま見過ぎて池の傍を立去ろうとしたとたん青銅ブロンズの鶴は世にも清らかな声で歌を唄い出したのである。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それこそ重苦しい青銅ブロンズの胸像のやうに浮びあがるのであつた。
心象風景(続篇) (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
噴水の鶴は寂然たる青銅ブロンズの羽根を張り、天心に嘴を差しのばし、夜目にもしろい幽玄な水の穂をキラキラと夜空に噴き上げている。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)