“雀色（すゞめいろ）” の例文

丁度たそがれ時、人通りが絶えて、町家も水の上も、一樣に雀色（すゞめいろ）に見える頃でした。柳原の淋しい土手に掛ると

銭形平次捕物控：004 呪ひの銀簪 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)

他愛もなく燃えきつてしまつたので、四方（あたり）が雀色（すゞめいろ）になる頃までには、何うやら斯うやら火を消して了つて、平次と八五郎は、掛り同心永村長十郎、土地の御用聞三河島の淺吉等と一緒に

銭形平次捕物控：111 火遁の術 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)

平次は大きく伸びをして雀色（すゞめいろ）に暮れて行く秋の街を見やりました。

銭形平次捕物控：115 二階の娘 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)

何心なく雀色（すゞめいろ）になつた往來を眺めて居た平次は、いきなり

銭形平次捕物控：222 乗合舟 (旧字旧仮名) ／ 野村胡堂(著)

“雀色”の解説

雀色（すずめいろ）とは、雀の羽または頭部のような茶褐色。雀茶、雀頭色ともいう。
江戸時代当時「四十八茶百鼠」といって褐色系と灰色系の色が大流行したため、「樺茶」などのように古来からの色名に「茶」とつけて呼びなおしたり、実際には灰色系や褐色系ではない色に「鼠」「茶」とつけている例なども見受けられる。
日が落ちかけて薄暗くなった夕暮れ時のことを古くは「雀色時」と呼んでいた。江戸中期ごろの褐色系の流行色を総称して「雀の羽色」と呼ぶ例もある。
(出典:Wikipedia)

雀	漢検準1級 部首:⾫ 11画
色	常用漢字 小２ 部首:⾊ 6画