“隻方”の読み方と例文
読み方割合
かたほう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は舌を出して障子の紙をねぶり、そっと穴を開けて隻方かたほうの眼をそれに当てた。そして、老女は其処に怪しい物を見つけた。
猫の踊 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
洋服の男は独りでこんなことを云ってから、またテーブルの上を叩いて思いを遠くの方へせるようにしたが、その拍子に隻方かたほう赤濁あかにごりのした眼がちらと見えた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それは斑紋はんもんのあざやかなたくましい虎であったが、隻方かたほうの眼が小さくすがめになっていた。
虎媛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)