開封ひら)” の例文
返事も滅多に出さなかつたので、近頃妹の音信たよりもずゐぶん遠退いてゐた。圭一郎は今も衝動的に腫物はれものに觸るやうな氣持に襲はれて開封ひらくことを躊躇ちうちよしたが、と言つて見ないではすまされない。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)