閉鎖へいさ)” の例文
借家はもう半月もして水泳場が閉鎖へいさすると同時にたちまち二人に必要になるのだが、価値のあいなどで敬蔵はなかなか見つけかねた。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それから、飲食店閉鎖へいさの命令の出る直前に、もういちど、上役のお供で「さくら」に行き、スズメに逢った。
犯人 (新字新仮名) / 太宰治(著)
やむなく、長柄門ながらもんへ行ってみると、そこも閉鎖へいさされているし、鍮䤲門ちゅうじゃくもんも、同様だった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「理事長、すると、あなたはもう、塾の閉鎖へいさまで決心されているんですか。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ぢや、學校の方はどうします? もう閉鎖へいさした方がよくはないですか?」
「必要がないことなんかあるもんか。さっきも大沢君と話したことだが、状況次第では、塾は早く閉鎖へいさしたほうがいいかもしれんよ。ぐずぐずしているうちに、とんでもないことにならんとも限らんからね。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しかし、いずれにせよ閉鎖へいさの運命はまぬがれないだろう。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)