“銀杏形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちょうがた50.0%
いちょうなり50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笑う時は、少し身を斜めにして、美しく染めたくち鉄漿おはぐろへ、銀杏形いちょうがた扇子せんすを当てて笑うのが、彼のいつもする癖だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七つ八つの泡によって鍋底から浮上り漂う銀杏形いちょうがたれの中で、ほど良しと思うものを彼ははしで選み上げた。手塩皿の溜醤油たまりに片れの一角を浸し熱さを吹いては喰べた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
銀杏形いちょうなりの忍び笠の上から、さらに頬かぶりの布をあごの下でむすび、どこかの郷士らしい風采に見えるが、それは高氏の微行しのびの姿だった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅黄あさぎ手甲脚絆てっこうきゃはんをつけ、新しい銀杏形いちょうなり藺笠いがさつえまで、門口に出してある。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)