鉄火箸てつひばし)” の例文
旧字:鐵火箸
それを聴くと私はグッとしゃくさわった。そして長火鉢にしてあった鉄火箸てつひばしをぎゅうと握りしめて座り直りながら大きな声で
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
再び目をつぶって、長い鉄火箸てつひばしをとって、めくらさがしに火を突っついていたが、どうも女の息づかいが……荒い。どうしてこの息づかいが、今以てこの水車小屋を去らないのか。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)