釧雲泉くしろうんせん)” の例文
澹所は釧雲泉くしろうんせん同庚どうかうで四十六歳、雪堂は一つ上の四十七歳、並に皆昌平黌の出身である。雪堂は猶校に留まつて番員長を勤めてゐた筈である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
柴野栗山しばのりつざん尾藤びとうしう、古賀精里、頼春水、桑山玉洲くはやまぎよくしう釧雲泉くしろうんせん立原翠軒たちはらすゐけん野呂介石のろかいせき、田能村竹田等は悉その友人である。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
舟遊には犬冢印南いぬづかいんなんと茶山との両先輩の下に、蠣崎波響かきざきはきやう、木村文河ぶんか釧雲泉くしろうんせん、今川槐庵及蘭軒が来り集つた。しかし誰が何時此遊を企てたか未詳であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
駅を出て普済寺にいたる。二里廿九町本荘駅なり。釧雲泉くしろうんせんを訪。前月信濃善光寺へ行き、遇はず。二里新町駅。これより上野かうづけなり。神奈川を渡る。川広六七町なれども、砂石のみありて水なし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)