金子屋かねこや)” の例文
ぷーんとあいの香のたかいあわせつけ糸を抜いたばかりなのを着込んで、今日も、灯ともし頃から、わざと人目離れた場末の新石場しんいしば金子屋かねこやへ出かけてゆくと
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
物干竿にかけた一枚の衣服きものが風にひるがえり、其の傍の井戸端にはたらいがあって、それにはどろどろになった女物の衣服が浸けてあったが、それは金子屋かねこやと云う質屋の手代の庄七しょうしち
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)