運漕うんそう)” の例文
それまで堀形のあったのを、さらって深く掘り下げ、船の運漕うんそうができるようにするのだが、この長さ六百六十間。幅三十間。深さ二間半。
各方面の要路にたつ人間を、できるだけ多勢彼女の魅網みもうに包みこまなければならない。ことに陸海軍、民間運漕うんそう関係の有力者を逃がすな。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
江戸に米一揆いっきが起き、奥州米を運漕うんそうしてお救い米を出す騒ぎになったが、政岑は、これも家督して間もない尾州びしゅう名古屋の城主、従三位権中納言じゅさんみごんちゅうなごん宗春と連れだって吉原へ出かけ
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
数ヵ月前から、彼の命をうけた黒田官兵衛は、若狭わかさ方面へ潜行して、その船舶を買い占め、鳥取地方に散在している食糧という食糧は、あらゆる手段をつくして他へ運漕うんそうさせてしまった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「叔母が一人ありますがな。こいつは今、浜で運漕うんそう業をやってます」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)