“返照”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へんしょう75.0%
なかなおり25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼を引きとめる心理作用の性質は一目暸然いちもくりょうぜんであった。けれども彼はその働きの顕著な力に気がついているだけで、その意味を返照へんしょうするいとまがなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
九助は次第に心地元に復し、始めて幻夢のめたる如く、首を挙げて四辺を見廻みめぐらすに、時は既にさるの下りとおぼしく、太陽巒際らんさいに臨み返照へんしょう長く横たはれり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
療治に愚かなかりしかど。いささか見直すところありとみしは。いわゆる返照なかなおりというものなりしが。勤が納涼よりかえりしよりにわかに容子変りきて。その翌日かえらぬ旅におもむきぬ。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)