文学理論は、そのものとしてとりあげられず、すでに下ゆく水の流れの上におかれて論ぜられるのであったから、論議は理論的に進まず、論点の転換点ターニング・ポイントはいつも心理的な動因に立っていた。
作家の経験 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)