賃餅ちんもち)” の例文
貧しさには貧しさのとりえと云うべきか、日頃から掛け買いの出来ないおせんは、年を越す苦労もひとよりは少なく、白くはないが賃餅ちんもちも一枚いて、かたちばかりに門口へ松と竹も立てた。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)