訳語田おさだ)” の例文
旧字:譯語田
四五十年あとまでは、唯関と言うばかりで、何のしるしもなかった。其があの、近江の滋賀の宮に馴染み深かった、其よ。大和では、磯城しき訳語田おさだ御館みたちに居られたお方。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
鴨がを聞いたのだっけ。そうだ。訳語田おさだの家を引き出されて、磐余いわれの池に行った。堤の上には、遠捲とおまきに人が一ぱい。あしこの萱原かやはら、そこの矮叢ぼさから、首がつき出て居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)