“観念”のいろいろな読み方と例文
旧字:觀念
読み方割合
かんねん47.4%
くわんねん10.5%
イデヤ5.3%
あきら5.3%
あたま5.3%
おも5.3%
かんがえ5.3%
イデエ5.3%
イデオロギー5.3%
イデー5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とあると同じく「ひと」なる観念かんねんを二つにしていることが明らかである。すなわち「人」なる字が善悪の二ように用いられている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのほかにほとん人影ひとかげなかつたといつてもい。——あんなのが「ましやい。」であらうと観念くわんねんしたのであつたから。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これすなわち主観の掲げる観念イデヤであって、各々の人の気質により、個性により、境遇により、思想により、それぞれ内容を別にしている。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「駄目だよ今日は。観念あきらめるさ。とてもかなわぬ事だから、僕は此処を先途せんどと喋り散らして花々しく討死する覚悟だ。ワッハヽヽヽ」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
三人は更に無意味に街を歩いて、歩き疲れて、観念あたま肉体からだも冷えきって、唯一杯の支那そばが食ひたくなった。
(新字旧仮名) / 原民喜(著)
まごまごしているうちに、おれは棍棒でしたたか頸筋をどやされた。瞬間、もう駄目だと観念おもったね。何しろ突然なので、君等を呼ぶどころか、衣嚢かくしから短銃ピストルを抜くひまもなかったんだ。
兄弟だという観念かんがえは、全く安易な溺愛を与えて、平常はそう何とも思いませんが、何か不利益、不名誉なことでも兄弟の一人に起ると、全部の兄弟が、急にこぞって自分の兄弟の方ばかり肩を持って
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかし新らしい観念イデエや人に色目も使はぬと云ふことは退屈そのものの証拠である。同時に又僕のづるところである。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
頑固な程はっきりした正邪の区別が、彼等の有つ観念イデオロギーのすべてだ。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
詩とは——夢の解体そのものが、ある律動の建設となることであり、観念イデーの分析そのものが、ある音楽の構成となることである。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)