“覆盆子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちご92.9%
くさいちご7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝顔の苗、覆盆子いちごの苗、花も実もある中に、呼声の仰々しきが二ツありけり、曰く牡丹咲の蛇の目菊、曰くシヽデンキウモンなり
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
矢筈草はちよつと見たる時その葉よもぎに似たり。覆盆子いちごの如くそのくきつるのやうに延びてはびこる。四谷見附よつやみつけより赤坂喰違あかさかくいちがいの土手に沢山あり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
此日は朝より道々覆盆子くさいちご桑の実に腹を肥したれば昼餉もせず。やう/\五六里を行きて須原に宿る。名物なればと強ひられて花漬二箱を購ふ。
かけはしの記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
野の狭うとがりて次第々々にはひる山路けはしく弱足にのぼる馬場嶺、さても苦しやと休む足もとに誰がうゑしか珊瑚なす覆盆子くさいちご、旅人も取らねばやこぼるゝばかりなり。
かけはしの記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)