キヌ)” の例文
尾張にタヾに向へる、尾津ヲツの崎なる一つ松、あせを。ひとつ松 人にありせば、大刀けましを。キヌ着せましを。一つ松、あせを(景行記)
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
完了の助動詞の「ぬ」、「ヌマ」「ヌク」「ヌシ」「キヌ」などの「ヌ」は「奴」の類の文字で書いて、前の「怒」の類の文字では書かず、別の類に属する。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
またかきつくともいひて是も巻七に真鳥住マトリスム卯手ウナテ神社モリスガキヌ書付カキツケ令服児キセムコ欲得モガモとあればかきつばたは書付花カキツバナ也(はなとはたと通ふは上にいふがごとし)ツク
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
またかきつくともいひて是も巻七に 真鳥住卯手マトリスムウナテ神社モリスガキヌ書付令服児欲得カキツケキセムコモガモとあれば かきつばたは書付花カキツバナ也(はなとはたと通ふは上にいふがごとし) ツク
カキツバタ一家言 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
キモ」「キヌ」の「き」に(甲)類の文字を用いるに対して、「むらぎも」「ありぎぬ」の「ぎ」に(甲)類の文字を用い、「キリ」の「き」に(乙)類の文字を用いるに対して
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
ふくろふの、糊すりおけと呼ぶ声に、キヌときはなち イモは夜ふかす﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
りしにオモヘば是は燕子花とある漢字よりおもひよせられしものなりツラツラ考るに万葉七に墨吉之スミノエノ浅沢アササハ小野乃ヲヌノ加吉都播多カキツバタ衣爾キヌニ須里着将スリツケキ衣日ムヒ不知毛シラズモ又同巻にかきつばたキヌに摺つけますらを
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
服曾比猟キソヒカリする月は来にけりとありて上古は今のごとく染汁ソメシルつくりて衣服を染ることはなくてハリの実或はすみれかきつばたなどの色よき物をキヌに摺りツケてあやをなせるなり其摺着スリツクル
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
服曾比猟キソヒカリする月は来にけりとありて 上古は今のごとく染汁を製りて衣服を染ることはなくて ハリの実或はすみれかきつばたなどの色よき物をキヌに摺りツケてあやをなせるなり 其摺着スリツクル
カキツバタ一家言 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)