蝸牛かぎゅう)” の例文
私は性来しょうらい騒々そうぞうしい所がきらいですから、わざと便利な市内を避けて、人迹稀じんせきまれな寒村の百姓家にしばらく蝸牛かぎゅういおりを結んでいたのです……
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
爺と婆とは普通には春蘭しゅんらんの花を採ってそう呼びました。元は粗野なる歌があったに相違ありません。甲州の逸見へみでは、蝸牛かぎゅうをもジットーバットーと呼んでいます。
宝引に蝸牛かぎゅうの角をたゝくなり 其角
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
門額の大字にとも蝸牛かぎゅうかな
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)