蝦蛄しやこ)” の例文
灣の南方を、町から當面の出島をかけて、蝦蛄しやこの這ふ樣にずらり足杭を見せた棧橋が見ものだ。雨あがりの漁場、唯もうなまぐさい、腥い。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
拳固げんこ……つねもち、……あかいお團子だんご。……それが可厭いやなら蝦蛄しやこ天麩羅てんぷら。」と、ひとツづゝ句切くぎつて憎體にくたらしくふしをつける。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その和子はかくなる歳を、老いづくを、蟹や蝦蛄しやこさもこそあらめど、身の老の、その海老腰の、おのれ知らずて。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あのよろし蟹よ蝦蛄しやこよ、それよこれよ、そをめせ、かくめせとあはれ、中つつき、からほじりあはれ。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
厨戸くりやどは夏いち早し水かけて雫したたる蝦蛄しやこのひと籠
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
厨戸くりやどは夏いち早し水かけて雫したたる蝦蛄しやこのひと籠
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
洗へ妻、蝦蛄しやこのひと籠
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)