蝗虫いなご)” の例文
旧字:蝗蟲
つた聖約翰せいヨハネ荒野あれの蝗虫いなごしよくにされたとか、それなら余程よほどべずばなるまい。もつと約翰様ヨハネさま吾々風情われわれふぜいとは人柄ひとがらちがふ。
何時いつの間にか彼女の心は、蝗虫いなごって遊んだり草をいて寝そべったりした楽しい田圃側の方へ行って了った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
旱魃かんばつがあった。雲霞うんかのような蝗虫いなごの発生があった。収穫はすべて武器を持った者に取りあげられてしまった。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
汝馬に力を与えしや、その頸に勇ましきたてがみを粧いしや、汝これを蝗虫いなごのごとく飛ばしむるや
わがはちやうど蝗虫いなごのやうだ、こゝよ、かしこよと跳回はねまはる、うなつてあるく、また或時あるとき色入いろいりはねひろげて、ちひさなくびきとほつて、からところをみせもする。