蜻蛉かげろう)” の例文
こんなついででもないとその記録ものこし得られぬから、退屈しのぎにその例を並べて見ると、古い所では『蜻蛉かげろう日記』にクツクツボウシ、『散木奇謌集さんぼくきかしゅう』にはウツクシヨシと鳴くとある。
児太郎は、あおざめた顔をゆがめ、悪いことをしたときの窮屈な冷笑をうかべながら、馬刺剣を庭木の肌を目がけ投げつけた。すもものいらいらした肌にぴいんと立ち、蜻蛉かげろうのように震え、やがて停った。
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
康頼 まるで蜻蛉かげろうのようにやせている。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)