蛾次郎太夫がじろうだゆう)” の例文
はらからかまえどりをきめて蛾次郎太夫がじろうだゆう邪念じゃねんをはらって独楽こまを持ちなおし、恬然てんぜんとして四どめの口上こうじょうでのべたてた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、独楽につれていた見物の眼は、ふッと、ちゅうにまよってウロウロした。おどろいたのは蛾次郎太夫がじろうだゆうで手のうちのたまをとられたという文字どおりに狼狽ろうばいして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いよいよ本芸ほんげいにとりかかったところで、どうしたのか蛾次郎太夫がじろうだゆう、ふとみょうなことが気にかかっていたせいか、いつもあざやかにやる水独楽みずごま虹渡にじわたりのきょくまわしを、その日は、三どもやりそこなって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)