ぜんまい)” の例文
原則として、ぜんまいの短いのはスタートが早く牽引力も大きいが、しかし長い生命を持たぬから初めと終りでは廻転速度に差が生じて来る。
... 山にぜんまいが出る時分には人のおなかへ虫がきますし」と言うをさえぎる妻君「オヤ薇と虫と何か関係がありますか」お登和嬢「ハイ薇は駆虫くちゅうの功があります。 ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
檜の苗がわらびぜんまいの繁った中に無造作に植えてある。橋の上から水上の方を覗いて見たが、狭い谷は左から出た山の裾に大きく遮ぎられて奥は目に入らない。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
このあたり仲春は蕨、ぜんまいの緑せんだが、あの敏感な草の芽、雪の底で春のけはいを如何に……。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
ぜんまい仕掛で畳の上を這ふ象の玩具はガリガリと厭な音を立てた。正三はわーと泣き出した。すると、兄姉達は面白がって一勢に笑った。母が叱ると、意地の悪い兄は薇を巻いたまま戸棚に収めた。
恐怖教育 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
上等の機械になると油のし方を指定してある。ぜんまいその他重量のかかる廻転の緩慢な処にはヘヴィ・オイルを、デリケートな動きをする軽い処には軽いオイルをという風に。
ぜんまい 一・三〇 二〇・二六 〇・四九 四一・九六 二〇・二五 一〇・七四
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ぜんまいをいきなり土間へじゃあっと伸ばすような心得の悪い蓄音機屋があるから油断が出来ない。
ぜんまいこう 冬 第二百八十七 季節の食物
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)