“薄衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすぎぬ63.6%
うすもの22.7%
うすぎ4.5%
うすごろも4.5%
ヴェール4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ピイピイ笛の麦藁むぎわらですかえ、……あんな事を。」と、むら雲一重、薄衣うすぎぬの晴れたように、嬉しそうに打微笑む、月の眉の気高さよ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夏の薄い几帳越しに人のみじろぐのが暗い中にもよく感じられるのであった。静かに起きて、薄衣うすもの単衣ひとえを一つ着ただけでそっと寝室を抜けて出た。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
甚だしきはうや、浴後の薄衣うすぎや、皮膚の不潔や、すべて病因たることは、盡く自己の判斷と、他の批判と、即ち一個的及び相互的の注意によつて、之を避けねばならぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かくて明治三十二年七月わが小説『薄衣うすごろも』と題せし一篇柳浪先生合作の名義にて初めて『文芸倶楽部』の誌上に掲げられたり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それはごく薄い、やっと見えるか見えないぐらいの、薄衣ヴェールのようなものだったが、しばし悲しいやき印の跡を、覆うているかのように見えた。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)