“蓬頭垢面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうとうくめん50.0%
ほうとうこうめん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その身なりも名和一族のきらびやかにひきかえて、彼は島以来の荒海藻あらめにひとしい囚衣のままだし、もとよりかむりはいただかず、蓬頭垢面ほうとうくめんそのものだった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蓬頭垢面ほうとうくめん襤褸らんるを身に包み、妻子なく、家産なく、たゞ一ヶの大桶おほをけをコロガシ歩いて、飄遊へういう風の如く、其処そこの花蔭、此処ここの樹下と、一夜一夜の宿りも定まらず。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
蓬頭垢面ほうとうこうめん襤褸らんるをまといこもを被り椀を手にして犬と共に人家の勝手口を徘徊して残飯を乞うもの近来漸くその跡を絶てり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
美妙が私と同齢の青年であるとは前から聞いていたが、私の蓬頭垢面ほうとうこうめん反対ひきかえてノッペリした優男やさおとこだったから少くも私よりは二、三歳弱齢とししたのように見えた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)