華厳経けごんきょう)” の例文
おそろしい金剛心である、彼はその冬を華厳経けごんきょうの研究のなかに没頭して、覚明や性善坊と、炉辺に手をかざして話にふけることすらない。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうものを扱ったのを仏教で聴きますのは「善財童子ぜんざいどうじ」というものが華厳経けごんきょうに出てくる。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
華厳経けごんきょうに万物相関の理というのが説いてあるそうである。誠に宇宙は無限大でその中に包含する万象の数は無限である。しかしてこれらは互いになんらかの交渉を有せぬものはない。
方則について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
たとえば、経典のうちでも、特に名高いお経に、『華厳経けごんきょう』というお経があります。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
酒はいまでもかなり飲むが、まえのように乱れることは殆んどないし、半年ばかりまえから、華厳経けごんきょうと詩文の勉強をはじめ、どちらも熱心に続けているようである、と備前は云った。
(〔南瞻部州閻浮檀金ジャンブナダ・スバルナの名もこの湖に因って起っている。〕)この池については仏教にも種々の説明があって現に華厳経けごんきょうには詩的説明を施して居るです。実にその説明の仕方が面白い。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
華厳経けごんきょう外面げめん如菩薩にょぼさつ内心ないしん如夜叉にょやしゃと云う句がある。知ってるだろう」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「若くて、求法ぐほうに執心な者も多勢おおぜいいるから、いちど、範宴御房の華厳経けごんきょうの講義でもしてもらいたいものじゃ。——この身も、聴いておきたいし」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの『華厳経けごんきょう』(第一講をみよ)のほとんど大半を占めている有名な話です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)