菅秀才かんしゅうさい)” の例文
戸棚を開き菅秀才かんしゅうさいの顔を見て、始めて気のゆるみし心にて、後へべたりと尻餅をつき、手を合せ拝み、また正面を向きて上を見上げて拝む。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
なんて、菅秀才かんしゅうさいはお芝居の寺小屋へ出る。ほかの秀才は他人ひとのことで榎本えのもとかまさんなんかがそうだったのだね。
舞台が狭いのでよほど窮屈らしく見えましたが、ともかくも二重家体にじゅうやたいを飾って、うしろの出入口には障子が閉めてあります。菅秀才かんしゅうさい上手かみての机にむかって手習いをしている。
米国の松王劇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
菅秀才かんしゅうさいじゃないが、一日に一字学べば、三百六十五字の教えだ」
心のアンテナ (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
特に一幅の揮毫きごうを請うて子孫に伝えようとする者もなし、ありとすればお絹が帯を締めながら、感心によくお手習をなさいますね、今に菅秀才かんしゅうさいになれますよ——なんぞといって賞めるのと、それから
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)