菁々せいせい)” の例文
ここかしこ日は照ってはいましょう。緑色に生々と、が、なかには菁々せいせいたる雑草が、乱雑に生えています。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
折から野原は一時に青草で満たされ、そうしてその間に緑葉菁々せいせいと生い茂るのであるから、人の心も何となく長閑のどかになって野外の散歩を試みずには居られない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
戸外そとの春も、一日ごとに、菁々せいせいと大地からえていたが、この吉水の禅房も、若草のようだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近いうちに家が建つことになっているその原には、きりの木やアカシヤなどが、昼でも涼しい蔭を作っていた。夏草が菁々せいせい生繁おいしげって、崖のうえには新しい家が立駢たちならんでいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)