のげ)” の例文
稲麦ののげいとうて、毎年暮春の麦の赤らむ頃から、飛羽を着て天に昇り、夏の稲取入れが終って後に、戻って来るのを習いとしていた。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
斯様こんな時によく子供の大怪我おおけががある。家の内は麦ののげだらけ、墓地は草だらけで、お寺や教会では坊さん教師が大欠伸おおあくびして居る。後生なんか願うて居る暇が無いのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
れは鍋割なべわれとも、それからのげしろいので白芒しらのげともふのであつたが勘次かんじ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼らの剣はのげである。
さらにじめ/\ときりのやうなあめなゝめけてはやはらかにくびもたげはじめたむぎのげ微細びさい水球すゐきう宿やどしてしろ穗先ほさきさらしろくして世間せけんたゞしめつぽくつたかとおもふと、またかつとひかりして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)