致命傷ちめいしやう)” の例文
大阪屋は、閉め切つた奧座敷の蒲團の中に、致命傷ちめいしやうを負つた野獸のやうにうめいてゐた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
寄る邊なき我が生活、失はれた我が愛、消え去つた我が希望、致命傷ちめいしやうを受けた我が誠實などの全意識が悲しい一團となつてはげしく、強く私に猛威を振つた。その辛いときのことは筆には盡されない。