美味)” の例文
「でもあなたのお世話がわたしうれしいのよ。帰りもお早く帰って来てね。いいこと。晩にはまた何かお美味しいものを考えて待ってますわ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私共は、斯うやって丁度寒くも暑くもないものを着、おなかが一杯に成るお美味しいものを食べさせて戴き、楽しい学校に通って勉強しています。
私の見た米国の少年 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
美味しくてほおベタが落ちそうな喰べ物などを山のように持って来て、白髪小僧の眼の前に積み重ねました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
とニッコリ白い歯を見せた未亡人の眼に含まれたこび……それをどうしても飲まぬと云い張った時、飲まされた「酔いざまし」の水薬の冷たくてお美味しかったこと……。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「お美味しい果物は皮もていねいにいて食うことでしょ。よござんすか。そして四、五日はまあしなよく顔を見合ったり言葉の一つもかけたりしなさる。折にはまた、お気前を見せたりしてね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)